2009年2月7日土曜日

森山大道来る

横国に伝説の写真家森山大道氏が来ました。
教育マルチメディア課程?の授業の一環でそこの教授(見た目極悪)と准教授との鼎談という形での講演会でした。
ゲストがものすごい割りに宣伝が地味だったらしく、8割ほどの席の埋まり具合。
すごく荒々しいモノクロのプリントをするイメージから、さぞかし本人もおっかない作家的な人なんだろうなと思っていたんですが、終始穏やかな語り口で70歳とは思えぬほど若々しい方でした。
カメラにも強いこだわりはないらしく、これもまた勝手に「ライカじゃなきゃ撮れない」というタイプなのかと想像していたけど、首から提げているのはリコーのGR digital(GX 200かも?)だし、「ライカはフィルム一本撮って合わなくてやめた」とおっしゃっていて意外でした。

今回の講演は最近よく行く建築とか社会学の小難しいギロン系のシンポジウムとは違ってもう少しフランクな雰囲気で聞けたのでよかったです。録音も一応しましたが手元にあるメモから印象に残った森山さんの言葉を少しだけ。

「常に始まりと終わりが同居している、という二面性」

「過去と未来がクロスしている一点が現在。写真はその一点をコピーしている」

(新宿でヤクザに追われる女の後ろ姿を撮った一枚の写真に「森山さんには『遭遇する才能』がある」といわれたことを受けて)
「単純に言うと歩くしかない。だけどそういう事件に遭遇するために必然の網を張っておく。その網に撮るべきものが引っかかる」

「出版するかどうかは別として、物乞いのような人たちもとにかく撮っちゃう。目の前の素材として。写さなかったら逆にイヤらしい」

「これから撮りたいのは東京。どうしようもなく東京」


森山大道さんの写真は今までどちらかというと、僕たちの知らない旧き猥雑な日本をノスタルジー的に撮っているのではないかという先入観から、あまり見てきませんでしたが、これからちょっと勉強してみようと思います。

最近、というか去年の秋ごろくらいからいわゆる巨匠と呼ばれる人たちの講演会などに行くたびに強く影響を受けるような気がします。菊竹さん、原さん、磯崎さん、そして森山さん。
著書などでまとめられたクールな文章よりも、生の人間の迫力とでもいうんでしょうか。
茂木健一郎さんも「脳と仮想」の中で「小林秀雄の講演のテープが好きだ」と言っていますが、やはり文字よりも、録音よりも、本物の人間から発せられる存在感というものは違うなと今日確認しました。
だからこれからも、「生の人間に会う、見に行く」ということをどんどんやっていこうと思います。そしてそういうリアルな繋がりを生成するような建築・都市を考えていきたいです。


講演後は建築史系研究室のS野さんと少し話して(某有名建築評論家の嫁ですがマジ学生みたいな人ですw)、ラーメン五郎、いや二郎へ。
その後、ヤータツと伊勢佐木近辺のエスニックタウンを散策しました。横浜もみなとみらいの隣にも関わらず、あのあたりの猥雑な感じはいいですね!コリアンスーパーで謎の飲み物とインスタントラーメンを買ってみました。飲み物の味は…申し訳ないけど微妙でした。。
今度は野毛あたりで飲み会したいっすね。

連日の投稿でまた長くなってしまった。。まあアウトプットを恐れずやってやるぜってことで。

3 件のコメント:

naoto さんのコメント...

俺も連日のアウトプットですので問題ないかと。

taiga さんのコメント...

まちづくりやってるおばちゃんと飲んで帰って起きたら夕方5時だったことを激しく後悔。

yoichi さんのコメント...

>naoto
内容が結構シンクロしてますね。ケケケ。

>taiga
いねえなと思ってたらそんな感じだったのね。そういう交流も良いインプットだと思うよ。アルコール的な意味でもw